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マンション投資の鉄人

第二十五の鉄人   鳥取県在住 T.T.

V.ふりかえり 私のマンション投資の20年(24)まさか自分が!?


 ちょっと前に「下町ロケット」という池井戸潤のドラマがありました。高い視聴率を誇りましたが、世のサラリーマン、お父さん世代は泣きながら大いに共感し、元気をもらったことと思います。佃製作所という下町の中小企業が様々な困難の中、職人魂で技術を磨き、夢に向かって良いものを作っていくという話です。

 私にとってこのドラマの主人公は立川談春さん演じる殿村さんでした。阿部寛が演じる佃航平ではありませんでした。このドラマの中で、殿村さんという銀行マンが佃製作所に出向してきます。殿村さんは佃製作所への融資担当でした。そしてそこに出向し、やがて転籍して銀行マンから佃製作所の社員になります。殿村さんは銀行マンの頃、融資する側ですから担保価値を求めます。経営状況等、担当する佃製作所に厳しいことを言ってきたと思います。

 しかし次にその殿村さんが佃製作所に出向し、現場でかつて殿村さんに厳しいことを言われてきた従業員の人たちといっしょになった時、かつては銀行様として敬意を払って接してくれていた人たちが、「言うだけならなんとでも言えるんですよ。」「現場の現実が分かったでしょ?」「今はあなたの給料、うちが払っているんですよ。」的な、従業員からの冷たい反応。口を出せば反感を買いました。立場が変わって初めて気づくこともあると思います。殿村さんは昨日まで言っていた人たちから意見される側になったのです。

 殿村さんは銀行という看板を背負っていたから工場の従業員は敬意を持って接してくれていたのです。出向して言われる側に回った最初の頃の殿村さんのプライドが折れるような心情。それから次第に佃製作所の従業員の高い技術力やプライドに魅かれ転籍するに至る殿村さんの心の変化が絶妙に描かれ、「分かる」「分かる」と身につまされるような思いで見ていました。ほとんど毎回この殿村さんには号泣でした。高視聴率だった理由にはこういった世の出向・転籍を経験したお父さんがたの共感がかなりあったのではないかなと思っています。

 私も出向・転籍を経験しました。「まさか自分が!?」と思いました。「会社で自分だけはそうならないだろう」と思っていました。しかし50歳になり年収も大台を超えたらすぐでした。出向先で感じたことは、まさに「下町ロケット」の殿村さんと同様でした。

 ある名古屋のオフィスの会議室、4月のその日は会議で中京地区と北陸の全ての管理職が呼ばれていました。その会議のアジェンダの前半がなくなり、上司との個別面談という形になりました。いくつかのグループに分かれ、一人一人面談を終えて席に戻ってくる同僚の表情に皆、察しがつきました。リストラ面談だったのです。集まった会議のお題目は建前で、そもそもなかったに等しかったのです。会社に残る人、出向を命じられた人、退職を求められた人に分かれました。

 会社は自分を守ります。存続するためには一切の温情はありません。「出向でよかったね。まだ席があるから。」出向を温情と言うなら価値観の違いでしょう。みんな会社の急成長とともに歩んできました。自分たちが会社を大きくしてきたという自負があったはずです。何よりも会社の仕事そのものが好きでしたから。その数日後、オフィスで、退職となった人たちが本社へ返却するパソコンを箱に詰め荷造りしていた姿は今でも忘れられません。皆、無言でした。本当にショックの時は言葉はでないのです。

 良いように考えれば、いい経験、いい勉強です。私を呼んだ上司ももういらっしゃいません。同様にその後、さらに上から呼ばれています。非常なものです。何が言いたいか、サラリーマンは常にこうしたリスクにさらされているということです。思いがけないリストラや急な給料ダウンはほとんどありうるということです。そしてその対象年齢はどんどん下がっていっています。必要以上のお金を持つ必要はないと思いますが、ある程度余力を持ち、余裕のある人生を送るためにも、別の収入源を作っておくことは必要なことではないでしょうか。

 マンション投資はその施策の一つとしてとても有効なものだと思います。みなさんは別の収入減としてなにを考えていらっしゃいますでしょうか?









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