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第九の鉄人 | 神奈川県厚木市在住 S.M.(不動産コンサルタント) | |
鐘楼神童の時代。 : 知恵の無い奴はあぶら汗をかく。 |
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"昔は知恵の無い奴は汗をかけ。と言われたものですが、実際には大方の人間は良いアイデアを元々期待されていませんでした。そう、均一の集団の中から変わったアイデアは出る訳が無いのです。これは、皆さんがご存知のように出る杭は打たれる、という日本社会の異端を嫌う風土に関連しています。そして、これは鐘楼神童の逸話に明確に表されています。 昔、ある村が代官様から大きな鐘をもらいました。そこで村長が鐘楼を作り、力もちの若者を集めてそこに吊ろうとしました。しかし、なにぶんにもすばらしく大きな鐘でどうしても持ち上げる事ができなかったのです。そうこう皆で悩んでいると一人の子供が下に土を盛ってそこを登って行けば良いという案を出しました。そうやって、無事鐘は鐘楼にぶら下ったのです。 しかし、村の長老達はこの神童を殺してしまったのです。なぜならば、こんなとんでもない事を思いつく子供は、将来村に災いをもたらすと考えたのです。 そんな馬鹿な、と思われるでしょう。しかし、私のような異端から見ると日本人はほとんどの人間がこの十字架を背負っています。お嬢さんが先生をしているという英人の契約社員とよく話をしたのですが、英国ではとにかく子供の他人と違う、優れたキャラクターを伸ばす事に重点を置くと言っていました。平均に合わせようとする日本とはほとんど逆の動機付けがされているように感じます。おそらく、この結果が全てのもののキャラクターに拘る西洋社会の形成に繋がっているのでしょう。 現実の競争社会のわかっていない教師と母親が子供の教育について論議をする事は不毛だと誰か言われていましたが、その結果物である皆さんは被害者と言えるのかもしれません。 おそらくこういう経緯で、日本人は他人と同じという事に非常に大きな安心感を持っているのでしょう。いや、自分は他人とは違うと言う人にしたところで、微差に拘っているに過ぎません。300mmの定規の10mmのところで他人は8mmで自分は12mmだと言っているようなものです。しかし、世界には200mmだとか250mmという違いの人間が存在します。 妻が信長が幼少時代おおうつけと言われていたという意味が私と暮らして初めてわかったと言っていました。そう妻のようにほとんどの人は常識という柵の外に世界が有るという事さえ気付いていないのです。例えば私は、楽天で指輪だけで100本以上落札しましたが、世の中にはこういう馬鹿げた人間が居るのです。そういう私自身思いもしない事をする馬鹿との戦いがいつかはめられそうで最も怖いのです。 柵の内側にも財の有った時代は、安全な柵の中で財を皆で分け合った方が危険な柵の外に出るより楽だったのは事実でしょう。しかし、柵の中の財は枯渇しつつあります。もはや、皆さんには2つのオプションしか残されていません。柵の中で皆で座して貧困を待つか。柵の外に新たな財を求めるか。 ジニ係数からみて所得格差が広がっていないというシリーな記事がありました。統計処理の落とし穴を知らない愚かな話です。6000万人の就業者の35%が正社員でないという事は2100万人が年収250万円近辺に貼りついているという事です。これは、統計的にはとんでもない集中です。数%の社長の年収が5000万円から5億円になっていたとしても統計的には出てこないでしょう。 派遣社員による人件費のグローバルスタンダード化は着実に進んでいます。将来、所得分布は250万円近辺に50%、700万円近辺に20%くらいのふたこぶに必ず収束します。 投資家をめざす皆さんは、統計処理の結果だけ絶対に見てはいけません。出所と生データを見ないとしくじります。統計データなんて自分の言いたい事を示す為にいくらでも処理できます。私は統計処理されたデータは冷凍食品のシーフードミックスと呼んでいます、おいしいだしは皆抜けています。やはり、貝もイカも生にかぎります。" |