胎児の権利能力 【たいじのけんりのうりょく】 |
胎児は本来権利能力を持たない。しかし民法により、相続・遺贈・損害賠償については、胎児は「既に生れたるものとみなす」と規定されているため、この3つの場合に関しては例外的に権利能力を有するものとされている。(民法第721条、第886条、第965条)
従って、例えば、母の胎内に胎児があるとき、父が死亡したとすれば、胎児にも法定相続分が発生することとなる。また例えば、母の胎内に胎児があるとき、母が交通事故に遭ったとすれば、胎児にも損害賠償請求権が発生する。
なお胎児の権利能力は「生きて生まれたときに、相続分や損害賠償請求権の発生の時点にさかのぼって権利能力を取得する」と考えられている(判例。ただし有力な反対説あり)。
従って、判例に従うならば、母の胎内に胎児がある期間中には、胎児に権利能力が存在しない以上、胎児の法律行為を代理をすることは不可能である。そのため、母が胎児の法定代理人として遺産分割をすることや、損害賠償の示談交渉を行なうことは不可能とされている。 |
大臣免許 【だいじんめんきょ】 |
宅地建物取引業者が国土交通大臣から免許を受けていること。
宅地建物取引業を営もうとする者が、二以上の都道府県において事務所を設ける場合には、国土交通大臣から免許を受けることが必要とされている(宅地建物取引業法第3条第1項)。この規定にもとづき、国土交通大臣から免許を受けることを、一般に「大臣免許」または「国土交通大臣免許」と呼んでいる。
なお、平成13年1月6日より前は、国土交通省ではなく建設省が所管していたため、平成13年1月6日より前にこうした免許を受けた場合は「建設大臣免許」である。 |
第2種住居地域 【だいにしゅじゅうきょちいき】 |
都市計画法(9条)で「主として住居の環境を保護するため定める地域」と定義されている。
この用途地域では、建ぺい率の限度は原則として60%である。
また容積率の限度は200%から400%の範囲内で都市計画で指定される。
この用途地域では次のような用途規制が行なわれている。
(建築できるもの)
1)住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館
2)幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専修学校、病院、公衆浴場、老人ホーム
3)店舗(面積の制限なし)
4)事務所(面積の制限なし)
5)危険や環境悪化のおそれが非常に少ない作業場面積が50平方メートル以下の工場
6)ホテル・旅館(面積の制限なし)
7)ボーリング場・スケート場・ゴルフ練習場・カラオケボックス・パチンコ屋・麻雀屋等(面積の制限なし)
8)自動車教習所(面積の制限なし)
(建築できないもの)
1)上記に掲げたもの以外の工場
2)上記に揚げたもの以外の遊戯施設・風俗施設
3)倉庫業の倉庫 |
第2種中高層住居専用地域 【だいにしゅちゅうこうそうじゅうきょせんようちいき】 |
都市計画法(9条)で「主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」と定義されている。
この用途地域では、建ぺい率の限度は30%から60%の範囲内で都市計画で指定され、容積率の限度は100%から300%の範囲内で都市計画で指定される。
この用途地域では次のような用途規制が行なわれている。
(建築できるもの)
1)住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館
2)幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専修学校、病院、公衆浴場、老人ホーム
3)店舗(2階以下かつ1,500平方メートル以下のものに限る。すべての業種が可能)
4)事務所(1,500平方メートル以下のものに限る)
5)2階以下で作業場の面積が50平方メートル以下のパン屋等の工場
(建築できないもの)
1)上記に掲げたもの以外の店舗
2)上記に掲げたもの以外の事務所
3)上記に掲げたもの以外の工場
4)ホテル・旅館
5)遊戯施設・風俗施設
6)自動車教習所
7)倉庫業の倉庫 |
第2種低層住居専用地域 【だいにしゅていそうじゅうきょせんようちいき】 |
都市計画法(9条)で「主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」と定義されている。
この用途地域では、建ぺい率の限度は30%から60%の範囲内で都市計画で指定され、容積率の限度は50%から200%の範囲内で都市計画で指定される。
また良好な住環境を確保するため、建築物の高さが10メートル(または12メートル)以下に制限されていることがこの用途地域の大きな特徴である。これを「絶対高さの制限」と言う。なお制限が10メートル・12メートルのいずれになるかは都市計画で定められている。
この用途地域では次のような用途規制が行なわれている。
(建築できるもの)
1)住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館
2)幼稚園、小学校、中学校、高校、公衆浴場、老人ホーム
3)店舗(日用品販売店舗、喫茶店、理髪店等のみ)
4)2階以下で作業場の面積が50平方メートル以下のパン屋等の工場
(建築できないもの)
1)大学、専修学校、病院
2)上記に掲げたもの以外の店舗
3)事務所
4)上記に掲げたもの以外の工場
5)ホテル・旅館
6)遊戯施設・風俗施設
7)自動車教習所
8)倉庫業の倉庫
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第2種特定有害物質 【だいにしゅとくていゆうがいぶっしつ】 |
土壌汚染対策法において、人の健康に被害を生ずる恐れが大きいものとして指定された25種類の特定有害物質のうち、重金属等に該当する9種類の物質のこと。
この第2種特定有害物質については、土壌汚染状況調査を実施するに当たっては、土壌溶出量調査と土壌含有量調査を実施することとされている(土壌汚染対策法施行規則第5条)。
第2種特定有害物質は具体的には次の9種類である。
・カドミウムおよびその化合物
・六価クロム化合物
・水銀およびその化合物
・鉛およびその化合物
・砒素およびその化合物
・シアン化合物
・セレンおよびその化合物
・フッ素およびその化合物
・ホウ素およびその化合物 |
代表者印 【だいひょうしゃいん】 |
会社の代表取締役の印鑑であって、登記所に対して印鑑届けを行なった印鑑のこと。
印影が円形であることが一般的なので、「丸印」とも呼ぶ。 |
代物弁済予約 【だいぶつべんさいよやく】 |
代物弁済とは、金銭債権を返済できないときに、物をもって弁済に代えるということである。
この代物弁済をあらかじめ予約しておくことで、その物を担保に入れたのと同じ状態に置くという方法が、代物弁済予約である。このような代物弁済予約に対しては仮登記担保法が適用される。
(詳しくは仮登記担保へ)
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代理(宅建業法における〜) 【だいり(たっけんぎょうほうにおける)】 |
不動産取引における宅地建物取引業者の立場(取引態様)のひとつ。
宅地建物取引業者が、売買取引・交換取引・賃貸借取引について、売主の代理人や買主の代理人となって(又は貸主の代理人や、借主の代理人となって)、取引成立に向けて活動するという意味である。 |
代理(民法における) 【だいり(みんぽうにおける)】 |
代理とは、本人と一定の関係にある他人が意思表示を行ない、その意思表示の効果が本人に帰属するという法制度である。
代理の本質は、代理権をもつ者(代理人)が存在し、その代理人が行なった行為の効果が本人に帰属することであると解釈されており、このことを「他人効」と呼ぶ。この他人効がなぜ発生するのかという理論的根拠については「顕名説」と「代理権説」が対立している。(詳しくは他人効へ)。
代理が成立するためには、本人と他人との間に一定の関係が存在することが必要であり、このとき他人は「代理権」を持つものとされており、このような他人を「代理人」と呼ぶ。
また代理において、行為の主体が本人であるのか、それとも代理人であるのかについて学説が分かれており、通説は代理人が行為主体であると考えている(代理人行為説)。
また代理はさまざまに分類されるが、主な分類としては、任意代理と法定代理がある。任意代理は本人と代理人との合意にもとづく代理権であり、任意代理が成立するには代理権授与行為が必要であるとされている。
なお代理人が代理行為を行なうには、本人のためにすることを示すこと(=顕名)が必要とされている。 |