収用の対象 【しゅうようのたいしょう】 |
土地収用法において収用の対象になるものは、原則として土地であるが、土地以外の権利なども、その権利を消滅させる等の目的により、収用の対象になることがある。
土地は公益上必要であるときは収用することができる(土地収用法第2条)。ただし土地収用法の収用適格事業などの公共事業にすでに供されている土地は、特別の必要がなければ、収用することができない(土地収用法第4条)。
土地を収用する場合において、土地に借地権等の権利が付着している場合には、土地のみならず、その付着した権利も同時に収用し、その付着した権利を消滅させることが必要になる。
このような意味で土地とともに収用され、消滅させられる権利としては、土地に関する所有権以外の権利(地上権、賃借権、地役権、質権、抵当権など)、鉱業権、温泉利用権、漁業権、水利権などがある(土地収用法第5条第1項・第3項)。
また土地とともにその土地上の物件を収用する場合には、その物件に付着した権利(借家権など)をも同時に収用し、消滅させる必要がある(土地収用法第5条第2項)。
ところで収用においては、土地上の建物等は「必要かつ相当である場合に」「土地とともに」収用することとされているので、建物等は収用しないのが普通である。また建物等だけを単独で収用することはできない(土地収用法第6条)。
なお、土地ではなく、必要な土砂・砂れきだけを収用する場合がある(土地収用法第7条)。 |
収用手続の保留 【しゅうようのてつづきのほりゅう】 |
土地収用法では、事業認定の告示がなされると、補償金の前払いの請求(補償金の支払請求)が可能になる。このため、補償金の前払いの資金需要が一度に発生するおそれがある。
そこで事業認定の告示の効果を一時的に停止するために「収用手続の保留」という措置が設けられている。「収用手続の保留」では、「手続保留の告示」により収用手続の効果がストップし、「手続開始の告示」により再び通常の収用手続が開始する。
収用手続の保留を行なうには、事業認定の申請と同時に「手続保留の申立」を行なう必要がある。この申立があった場合には、事業認定の告示を行なう際に、「手続保留の告示」が同時に行なわれる(別項「手続保留の告示の効果」へ)。
この手続保留の告示がなされた場合には、事業認定の告示があった日から3年以内に、「手続開始の申立て」を行なわなければならない。これがないと事業認定そのものが失効する(土地収用法第34条の6)(別項「事業認定の失効」へ)。
その後、手続開始の申立がなされると、手続開始の告示が行なわれる。この手続開始の告示により、再び通常の収用手続が開始する(詳しくは「手続開始の告示の効果」参照)。 |
重要文化財 【じゅうようぶんかざい】 |
有形文化財のうち重要なものとして文部科学大臣に指定され、官報に告示されたものを「重要文化財」という(文化財保護法第27条第1項、第28条)。
重要文化財は建造物と美術工芸品に区分される。建造物は約2,200件(約3,700棟)、美術工芸品は約10,000件が重要文化財に指定されている(平成12年4月現在)。
建造物である重要文化財は、江戸時代以前のものが約9割を占めるが、明治以降の住居・学校・文化施設・産業構造物なども約1割を占めている。
重要文化財に関しては、その現状を変更し、またはその保存に影響を及ぼすような行為をしようとするものは文化庁長官の許可を受けなければならない(文化財保護法第43条)。
ただし現状変更については維持の措置・非常災害のために必要な応急措置については許可を要しない。また保存に影響を及ぼすような行為については影響が軽微であるときは許可を要しない(文化財保護法第43条)。 |
重要無形文化財 【じゅうようむけいぶんかざい】 |
無形文化財のうち重要なものとして、文部科学大臣が官報に告示することによって指定したものを「重要無形文化財」という(文化財保護法第56条の3)。
またこれらの重要無形文化財に指定される芸能を高度に体現しているものや、重要無形文化財に指定される工芸技術を高度に体得しているものは「重要無形文化財保持者」または「重要無形文化財保持団体」として認定され、国が助成を行なっている(文化財保護法第56条の3第2項)。
このうち、「重要無形文化財保持者」であって「各個認定」を受けている者は、一般に「人間国宝」と呼ばれている。 |
重要無形民俗文化財 【じゅうようむけいみんぞくぶんかざい】 |
無形の民俗文化財であって、特に重要なものとして文部科学大臣に指定され、官報に告示されたものを「重要無形民俗文化財」という(文化財保護法第56条の10)。
重要無形民俗文化財としては約200件が指定されている(平成12年4月現在)。 |
重要有形民俗文化財 【じゅうようゆうけいみんぞくぶんかざい】 |
有形の民俗文化財であって、特に重要なものとして文部科学大臣に指定され、官報に告示されたものを「重要有形民俗文化財」という(文化財保護法第56条の10)。
重要有形民俗文化財としては約200件が指定されている(平成12年4月現在)。
重要有形民俗文化財に関しては、その現状を変更し、またはその保存に影響を及ぼすような行為をしようとするものは、その行為の20日前までに文化庁長官に届出をしなければならない(文化財保護法第56条の13)。 |
集落地区計画 【しゅうらくちくけいかく】 |
都市計画法第12条の4に規定する4種類の「地区計画等」のひとつ。集落地域整備法に従い、都市計画によって定められる。
集落地区計画は、都市近郊の農村集落について、集落地域の土地の区域内で、営農と居住環境が調和した土地利用を図るための計画である(集落地域整備法第5条)。
なお、集落地域とは、市街化区域以外の都市計画区域であって、農業振興地域内にあることが必要とされている(集落地域整備法第3条)。 |
重量鉄骨 【じゅうりょうてっこつ】 |
「重量鉄骨」とは、厚さが6ミリメートルを超える鋼材のことである。
その反対に、厚さが6ミリメートル以下の鋼材は「軽量鉄骨」と言う。
重量鉄骨は、重量鉄骨構造の建物において柱・梁として使用される。 |
重量鉄骨構造 【じゅうりょうてっこつこうぞう】 |
鉄骨構造のひとつ。
重量鉄骨構造とは、次のような特徴を持つ鉄骨構造である。
1)重量鉄骨(H形鋼など)を柱・梁として使用する。
2)柱・梁の接合部をボルトにより「剛接合」する
(「剛接合」とは外力を受けても接合部が回転・変形しないという意味である)
3)木質系パネル・軽量気泡コンクリートパネル・窯業系パネルなどで壁・床を構成する。
このように「重量鉄骨構造」は、剛接合された骨組を持つ非常に頑強な構造となっている。
そのため、重量鉄骨構造は3階建ての一戸建て住宅や、3階建ての共同住宅で多用されている。(ただし最近は2階建ての重量鉄骨構造も見られる) |
授権行為 【じゅけんこうい】 |
本人が代理人に対して、代理権を授与する行為のこと(詳しくは代理権授与行為へ)。 |