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第十六の鉄人 | 札幌市 不動産業 Y.Y. | |
実録不動産競売の鉄人(7) |
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他の裁判所"我々はその後東京地方裁判所の他、東京地裁八王子支部、横浜地方裁判所、横浜地裁川崎支部等に足を運んだ。横浜地裁川崎支部の閲覧所は当時、4畳半ほどの広さで椅子が4〜5個しかなく物件も少なく大都市にしては物足りなさを感じました。横浜、川崎、八王子は手頃な物件もありましだが、物件調査に時間がかかり落札後も占有者との交渉や室内のリフォーム、鍵交換にも予想以上の時間や費用を使うことになり、首都圏では東京地裁23区に絞った。 また、北海道では札幌地裁の他に旭川、小樽の裁判所にも足を運んだが、競売物件の数が少なく市場規模も小さく、さらに物権調査のときに利用したタクシーの運転手が其々景気の悪い話しをするのでこの地域の競売入札は見送って 札幌地裁にだけ的を絞った。" 不良債権処理"その後、国内ではバブル崩壊後の不動産不良債権処理が政財界挙げて叫ばれ裁判所も不動産競売に力を入れ始めた。 札幌地裁の閲覧室の面積が2倍近くになりコピー機も2台から3台に増え、 東京地裁も閲覧室が広くなり、コピー機は一気に11台に増えた。この頃から不動産競売に関心を持つ人が増え競売閲覧室はさらに混み合った。 " 占有者"不動産競売は入札までの物件調査、価格決定までに多くの関心がもたれるが、むしろ落札後の占有者との交渉が大変です。空室であれば問題はないが、占有者には色々な人がいます。競売で財産を失う所有者、所有者の家族、賃借人、使用貸借で入居している者、債権者、病人、老人、ヤクザ・暴力団員、右翼と名乗る者、占有屋、アブナイ人、不法占拠者等さまざまな人が使用しています。賃借人でも賃料をキチンと支払ってくれれば問題はないのですが、平気で滞納する人もいて厄介です。 占有者がいる物件は引き渡し命令できる物件を中心に入札するのですが、引渡し命令の裁判を起こして引渡し命令が出ても簡単には退去してくれないこともあり何度も足を運び交渉しなくてはいけません。 物件明細書に記載されている事が全て正しいとは限りません。私も明渡しの裁判を何度も起こしましたが、時間がかかり時には弁護士と相談しながら占有者と交渉をしたことがあります。 裁判所も病人や老人が居住している場合は積極的に事を運んでくれません。 私が心掛けたのは占有している人を普通の人と同じように交渉しました。 入居している人も何時かは退去しなければならないことは当然心得ていて、お金(退去費用・立退き料)に関心が入っていてできるだけたくさん貰おうと考えています。 裁判所で引き渡し命令の手続きを済ませ占有者に条件を4通り出します。3ヶ月以内に退去してくれたら〇〇万円、2ヶ月以内は〇〇万円、1ヶ月以内は〇〇万円4ヶ月を過ぎると一銭も出さないとします。 そうすると殆どの入居者は一番条件の良い1ヶ月以内に退去します。 これで占有者と揉める事も無くお互いに円満解決します。 退去してくれたら渡し命令を取り下げます。 占有者と交渉する場合は出す物はキチンと出さないと後で大変なことになります。相手が誰であろうとお互いにビギネスと割切って行動しなければなりません。 次回は競売ビジネスも難しくなり東京地裁撤退・・・・・" |